大阪府がん診療拠点病院
臨床研修指定病院
紹介受診重点医療機関
尿路結石治療センター
尿路結石症は泌尿器科領域で最も頻度の高い疾患のひとつで、10人に1人がかかるといわれるほど多い病気です。現在、男女ともに発症者は増加傾向にあります。
PL病院は、南河内地域の医療機関の中で早期にレーザー治療結石破砕装置を導入して積極的に尿路結石の治療を行い、良好な治療成績をあげてきました。
尿路結石治療センターは、尿路結石症に対して最新の治療と共に、医師、管理栄養士、薬剤師、看護師が協力し、再発予防のための生活指導や栄養指導により一層力を入れ、診療内容を充実させています。患者さまの健康増進にすこしでもお役に立てるよう努力しております。
結石が疑われたり、尿路結石症に不安をお持ちの方はぜひ一度当センターにご相談ください。
尿の中に含まれるカルシウムとシュウ酸が結合した結石が腎臓、尿管、膀胱に付着する、あるいは詰まってしまう病気です。
血尿の有無や尿管と膀胱が細菌などによる感染症にかかっていないかを調べるため尿検査を行います。その他、レントゲン検査、CT、超音波検査などを行って結石の有無、腎臓・尿管の状態を調べます。
治療方法は結石の大きさや結石のとどまっている場所により異なります。まず、5㎜以下の結石には保存的治療を行います。鎮痛薬で痛みをコントロールしながら、運動・水分摂取・排石促進薬の服用により結石が自然に尿道から排出されるのを促します。しかし、この治療は結石を小さくすることはできないため、結石が大きい場合には積極的治療を行います。
保存的な治療で結石が排出できない場合、最も患者さまに負担の少ない治療法の1つとして、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)があります。専用の装置を用いて結石に衝撃波をあて、結石を砕き、尿と一緒に体外へと排出させる治療法です。衝撃波を発生させる方式は装置によって異なります。この治療は、皮膚を切開して行う治療ではないため体に傷は残りません。またほとんどの場合、麻酔をせず治療が可能です。ただし、結石による尿路閉塞を防ぐため、治療直前に尿管内に細いカテーテルを挿入することがありますが、この場合は処置に麻酔を使用します。
ESWLは結石を砕いて小さくするだけで、結石の抽石(結石を取り出すこと)は行えないため、ESWLで破砕された結石が痛みもなく体外に流れ出るかどうかは、破砕片の大きさ、尿管の運動などに依存しています。
それに対して、TULは、直径約3ミリの細径の内視鏡を尿路内にいれ、レーザーで石を砕いて、バスケット鉗子などで砕いた石を取り出すことのできる手術です。軟性尿管鏡は軟らかく、先端が自由に曲がるため、尿管の下端から腎臓内まで治療ができます。麻酔が必要ですので入院期間は3泊4日程度必要ですが、TULでは結石を直視下で観察し、結石を細かくして抽石操作まで行なえるため、尿路結石をなくしてしまうという観点においては、患者さまにとっては優れた治療と言えます。
比較的大きな結石・結石が複数個ある場合・レントゲンで見えにくい結石・感染を伴う結石・尿路の狭窄を伴う場合などは、TULが推奨されています。
2cm以上の結石、腎臓にできた珊瑚状結石などに対する治療です。大きな結石は内部に多量の菌を保有していることが多く、破砕片が多く残るとそれが感染の原因、重篤な感染症に発展してしまうことがあります。そのために、一度の治療で結石量を大きく減らす事ができる治療を行う必要があります。
結石のある側の背中から腎臓の中まで腎瘻という経路を作成し、その腎瘻を通して腎臓内に内視鏡を挿入します。そこから砕石装置で砕石を行い、結石を取り出します。
PNLは腎瘻を作成する際に出血などの合併症が起きることがありますので、当院では、TULと同時施行の手術を主に行い、より安全性の高い手術を行っています。
術式 | 2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 |
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体外衝撃波結石破砕術(ESWL) | 136 | 67 | 46 | 30 | 30 | 21 | 7 |
経尿道的腎尿管結石砕石術(TUL) | 100 | 139 | 126 | 152 | 102 | 101 | 80 |
経皮的腎砕石術(PNL) | 2 | 5 | 30 | 14 | 16 | 2 |
受診について