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血液内科

長期入院や特殊な治療により、患者様には多くの不安やストレスが生じます。当センターは、患者様お一人お一人との距離を縮める努力として、患者様の心のケアーを含めた苦痛除去に重点を置き、様々な独自の取り組みを行っております。その一部をご紹介いたします。

【末梢血幹細胞移植患者からの闘病手記〜明日、移植を受けられるあなたへ〜】

血液病センターでは、患者様と診療スタッフとのコミュニケーションだけではなく、患者様同士の情報交換を重要視しております。化学療法や移植を受けた方にしか理解できない、治療による苦悩やその解決策などの貴重な体験談を「励ましの言葉」として、次に同じような治療を受けられる患者様へお送りしています。ここにそれらをご紹介いたします。


09【50歳代 女性】

低血糖で倒れて、救急車で運ばれて、3日で退院できるといわれてから採血でひっかかり、すぐさま骨髄穿刺で、「多発性骨髄腫」と宣告された。その病名から何も知らなかったので、とまどうばかりでした。
血液のガンといわれても、身内にガンはいないし、なぜ自分がガンにかかったのかわからないまま、最初のステロイド点滴治療が始まって、特にこれといった副作用もなく、ふつうに食事をし、ふつうに入浴して、ひまだから毎日リハビリ室に通って、毎日早く帰りたいなぁと思っていました。幸いなことにステロイド点滴1クールでIGgの数値が下がって、いよいよ抗がん剤治療が始まって4日目の早朝、激しい腹痛と吐き気で苦しみました。でもそれは1回だけで、吐き気もそんなに強くなくて、今思えば楽な方でした。ただし、8日目には脱毛が始まって、自分でもびっくりするほどぬけて自分で作ったタオル帽子の2枚目をあわてて仕上げる程でした。
自家移植が始まるまで半月ほど外に出られるようになっても、髪のぬけた頭で出る気もなく、外泊もすすめられても夫の都合がつかなくて、あきらめて病室にこもっていた。最初の抗がん剤も1クールで済んだので、自分の幹細胞が1回で取れたのもラッキーでした。しかし、2回目の抗がん剤の後、幹細胞をもどした後は、吐き気が強く何回も出て、下痢も始まって、食事が取れない日々が続いたときは、正直へこたれそうになりました。吐き気はしつこく、退院が決まってからも何度か吐きました。あまり食べられないまま帰るのは多少不安でしたが、もう4カ月も入院していて、家に帰って環境を変える事もリハビリになるといわれたので、退院後も無理せずに、好きな物を食べて、ゆっくり体力をもどしてゆきたいです。